人には、相性というものがありますよね。
初対面だというのに会った途端にスルスルと会話が進む相手がいるかと思えば、まったく会話が弾まずに距離が縮まらない相手。
こちらから話を切り出すまで声を発しないタイプの人もたまにはいらっしゃいます。
こちらは小心なので、この沈黙が物凄くつらい。
つらいから何か話さななければと思って焦っているのに、あんたは何さっきから黙っとんのじゃ!
という葛藤。
そんな時は、もう無理して距離を縮めなくてもよいと私は思うのですが、最小限のコミュニケーションはあったほうがいいですよね。
ビジネスが絡んだりしていればなおさらです。
コミュニケーション力の差で、ライバル社員に差をつけられてしまうとしても、自分も最低限の会話術を身につけておきたいものです。
たとえそれが、マニュアル的なものであっても。
初対面で誰でも使う最初のセリフとは
こんな記事を書いている私自身が極度の話し下手なのです。
あなたも、心の中に、「自分ってコミュ力低いなぁ」なんて思うことがあるでしょう。
そんな私とあなたの会話能力グレードアップのために、会話をスタートするネタをいくつか論じてみましょう。
今朝の天気について
「いや〜、今日は寒かったですねー。」
「〇〇の前の道、氷ってましたよ。」
この記事を書いているのが冬なので、こんな話題が頭に浮かんできます。
天気の話題は鉄板です。
鉄板ですが、この「天気の話題」で3分4分と話を広げることは難しい。
天気の話題は「挨拶」に毛が生えた程度の「きっかけ」をつくる、序章のようなものです。
ここから、相手がリラックスして何か気持ちの「返球」をしてくれたら合格でいいんじゃないでしょうか。
ここからは、相手のパーソナリティーまかせです。
電車が遅れた話から最寄り駅の話題へ
事故などによって通勤電車が遅れて、会社や学校に遅刻してしまった。
そんな時は、会話のネタとしてオカズにできます。
「〇〇さんは、電車…大丈夫でしたか?」
自分が遅れてしまった時は、
「もうちょっと早く家を出て来るべきでした。」を付け加えます。
電車の話題は、お互いに最寄り駅を知られても問題ない場合は、案外話が広がりますよね。
「ああ、〇〇(地域)ですか、いいところですよね〜。若い頃▲▲によく行きました。」
「へ〜、生まれも育ちも〇〇ですか?うあ〜、やっぱりお嬢様だったんですね」
とか。
相手の嬉しくなるようなことをポロっと混ぜてみましょう。
しかし、相手が住んでいるところを知られたくない様子なら、すぐ最寄り駅の話題はやめましょう。
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身につけている物の話題
初対面の人に対して、身につけている洋服やアクセサリーを褒めて話題を広げる。
話の切り出し方として、「心の庶民派」にとっては、難度の高い技です。
「そのコート素敵ですね。」
「その時計いいですね」
無理です。
私には…。
洋服やアクセサリーの話題は、
女性から男性に向かって褒める場合には、かなり有効です。
話題が広がるかどうかはわかりませんが、失敗率は低いです。
女性にセンスを褒められて喜ばない男はいませんもん。
しかし、男性から女性へ向かって洋服のセンスなどを褒めるのはリスクがあります…よね。
私は、そんなスカした奴にはなれません。
自分が、ある女性の洋服を褒めたとして、二度とその洋服を着てこなかったらと思うと…。
でも、イケメンに言われたらそこには幸福な空気が漂うんだろうなぁ。
あなたは言えますか?
女性も馬鹿ではないでしょう。
イケメンが歯の浮くような褒め言葉を言う。
気をつけてください。
歯が浮くような褒め言葉を受けた時、あなたは一瞬、浮ついた精神状態になります。
一種の『変性意識』状態です。
暗示にかかりやすい状態ですので、注意しましょう。
同じ名前の偉人の話題
名刺を交換する時に、お互いに、ちょっと肩の力を抜くためのきっかけづくりです。
苗字や名前が同じ、芸能人やスポーツ選手、過去の偉人の話題で、とっかかりのコミュニケーションを図ります。
相手のコンプレックスに注意
名前の話題の場合、注意しなくてはならないのが、相手の現状に対して同名の有名人が比較対象になる場合です。
あまりに年齢が近い場合には、その人にとって「同姓」「同名」であることがコンプレックスになる場合があります。
鈴木正義さんに向かって
「孫正義と同じ字ですね」と言っても、相手は自虐のリアクションしかできません。
もっと過去の偉人を出すほうが無難です。
趣味をサーチせよ
挨拶をしながら、相手の持ち物から趣味を探しましょう。
たとへば、左手だけが白く日焼けしていない人の場合、ゴルフをしていると想像できます。
「アレ、〇〇さん、もしかしてゴルフお好きですか?」
なんて聞くと、もし相手がゴルフ大好きだった場合、目がキラリと光ります。
そんなふうに、身につけているものや、持っているバッグが、こだわりのものだった場合(釣り、ゴルフ、サッカーなど)、これは話のきっかけのチャンスです。
キャラクターグッズのキーホルダーや、ペンなどを使っている場合、相手の、
「このペンに気づいてくださいよ」っていうメッセージです。
仲間募集中の合図のようなものですから、素直にノッていけばいいでしょう。
好きなモノの話題でも乗ってこない人もいる。
私が外野の第三者として見た体験です。
ある施設の業務員(職員)用エレベーターの中での話です。
外部スタッフの私と嘱託職員の若目の男性と正規の中堅職員の3人がエレベーターに乗っていた時の話です。
若い嘱託さんが、ちょっと年上の正規職員さんに、
「〇〇さん、ガンダムお好きなんですか?」
と尋ねられました。
すると、その正規職員さんは、
「そうだけど?」
と、無表情で答えました。
そのリアクションを見て、嘱託さんは言葉を失い、
「………」シーン
目的の階まで無言状態。
嘱託さんの思惑は脆くも崩れました。
嘱託さんは、正規職員さんがガンダム好きという情報をどこかで聞いたのでしょう。
本当は、話題を振った瞬間、正規職員さんの目がキラッと輝いて、ガンダムばなしでいっとき盛り上がり、これから先、仲良くなれることを予定していたはず。
私も見ていました。
「そうだけど?」が、あまりにも突き放した言い方で…。
正規職員と嘱託嘱託の間には、目に見えないヒエラルキーが存在するのか!
私は、そう思いながら、いたたまれない気持ちになりました。
釣りバカのスーさんと濱ちゃんみたいに、階級を超えて趣味で仲良くなることは、出来るはずなんですけどね。
その正規職員は、そう言えば私も、笑っているところを見たことがなかったなぁ。
その後も、2人が会話しているシーンを目撃できませんでした。
相手の趣味の話題でも、相手のキャラや立場によってはコミュニケーションを取れない場合もありますから、その時は諦めたほうがよさそうです。
初対面なのに一日中二人きり
あなたは、楽観的な性格ですか?
それとも悲観的ですか?
今日、初めて会う人と二人で一日中一緒にいなくてはいけないとなった時、あなたはどんな気分になりますか?
「あ〜、ワクワクするな〜、今日はどんな人とお話しできるんだろう、楽しみだな〜。」
そんなふうに考えられる人は、上にあげた初対面対話集なんか必要ない楽観主義の人です。
もう、遺伝的にも思考の癖としてもポジティブな発想を無意識にできてしまう。
会話の切り出しに悩むなんて、意識の中にもありません。
まったく羨ましい限りです。
しかし、みんながそういう楽観的な性格ではありません。
「初めて会う」という事象に対して凄く臆病な人もいます。
私もそうです。
「今日〇〇をあなたに会わせるから」とか言われると、引っ込み思案の虫が疼いてしまいます。
何も言わずに、突然、偶然のように紹介されるほうが、どれだけ気持ちが楽か…。
そんな小心な人には、上に書いたような初対面対話集で会話の切り出しを上手く乗り切っていきましょう。
初対面の人と長時間会話するのはよいチャレンジング
仕事によっては、初対面の人と8時間も9時間も行動を共にしなくてはならない場合がありますよね。
私はこのあいだ、娘ほどの年の差の女性と一緒に1日仕事をしました。
しかも、やる仕事は一瞬で終わり。
残りの時間は何もすること無し。
会話下手の私としては、終わるまでの時間が「長いな〜」と思っていたのですが、
案外、大丈夫なもんです。
ていうか、相手方が、沈黙になりそうになると話を振ってくるので、助かりました。
次から次へといろんな話題をしてくるので、こちらは感心して聞きながら、たまに話題に乗っかってちょっと突っ込んでみる。
相手が話し疲れるほど喋るので、こちらが話題を切り出すことは少なく、そんなだから、途中の沈黙の時間も休憩時間のような感じで気まずくありません。
コミュニケーションはチャレンジングです。
あまたも、一度でもこんな状況をやり過ごせると、「あ、全然大丈夫じゃん。俺もけっこう話せるなぁ」なんて自信がつきます。
会話上手の人には転がされろ
好き嫌いに関係なく、なぜかこの人と会った時は、
知らぬ間に、自分が気持ちよく喋っている。っていう相手がいませんか?
私には何人か心当たりがあります。
その人と話をすると、知らぬ間にギャグを言わされたりしてしまいます。
こちらから話を切り出しているわけでもないのに。
喋らせるのが上手いんですね。
そして受けてくれるので、つい一言多く喋ってしまいます。
そんな人にはどんどん転がされて、会話を弾ませましょう。
そして、なぜそんなに人に話をさせるのが上手いのか、観察してみましょう。
まとめ
初対面の時の会話の切り出しに使える鉄板話題は、
- 今日の天気
- 通勤経路や最寄り駅周辺の話題
- 相手の服やアクセサリーの話題
- お互いの名前について
- 相手の趣味を探って尋ねてみる
- 初対面で長時間二人でいても、以外に大丈夫なものだ。
- 自分を饒舌にさせる、あの人から会話の切り出し方を盗もう。
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