河野満選手と『バーミンガム77』と私の高校生時代

現在はなかなか見られなくなったペンホルダー表ソフト前陣速攻型。1977年の世界選手権チャンピオンはそのペン表ソフト前陣速攻型の河野満選手でした。

そして使用ラケットは、後のヒット商品ラケット『バーミンガム77』。今回のお話は80年代の私の卓球メモリーです。

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伊藤繁雄選手的フォアハンドドライブ主戦型に別れを告げる

今回は、私のつまらない卓球の思い出話をしたいと思います。個人戦は地区大会どまり、団体戦のダブルス要員で県大会ベスト8どまりでしたが、80年代あるあるネタを書いていきます。

それは違うよ!と突っ込んでくださいな。

80年代はまだまだシェイクハンドとペンホルダーの選手の割合が五分五分だったのではないでしょうか。むしろペンホルダーのほうが幾分多かったような気もしないでもありません。

卓球を始めた頃、私は入門書に載っていた日本式ペンのフォアハンドドライブ主戦型の伊藤繁雄選手の連続写真を見て、この人を真似ようと思いました。(時代的には小野誠治選手のはずですが、なぜか伊藤選手www)

入門書に載っていた伊藤繁雄選手のグリップを100パーセントコピーしました。知っている人は知っていると思います。

前ならえのポーズをするとラケットの面が垂直になるような、ラケットの後ろの指3本が真っ直ぐになって真後ろにぴんと伸ばした握り方です。まさにフォアハンドドライブのための握り方。

自分では、形だけは完璧に伊藤繁雄選手のコピーになったつもりでした。(と言っても、実際に動く伊藤繁雄選手を見たことはなかったのですが。)

ところが、この伊藤繁雄スタイルのフォアハンドドライブ主戦型はフットワークを駆使する戦型で体力のない人間には向かない戦型なのでした。

部活のランニングでも、校内マラソンでも周りについていけない虚弱な体力の私には伊藤繁雄スタイルは厳しいと高校1年の途中で悟りました。(遅すぎるやろ!)

使用率100%?のバーミンガム77

ドライブ主戦型を諦めた私は、表ソフトラバーの前陣速攻型に戦型を変えました。

その頃の私の卓球入門書からの知識では、日本式ドライブ主戦型で使用するラケットは重心がやや先端に近い日本式角形単板のラケット、前陣の戦型は丸型のラケットがいいとかいうものでした。

中国選手は現在も丸いラケットで凄いドライブしていますが、当時の入門書にはこう書かれていたんですよ。あながち間違いじゃないと思います。

私は、なぜか、単板の丸型ラケットに表ソフトラバーという、ちょっとチグハグな組み合わせで前陣速攻に転向したのです。

グリップも後ろの3本の指を真っ直ぐ中央に伸ばしたスタイルから、少し指を丸めてラケットのセンターより下(右)にずらしました。これでバック系にも対応出来るぜ!と勝手に思っていました。(あるある)

この頃、新人戦などの大会に出られるようになると、他の高校の選手達も気になります。自然と自分と同じ前陣速攻型の選手に目がいきます。

すると、あることに気がつきました。表ソフト前陣速攻型の選手は、ほぼ100%かと思うほど、角形でもなく、丸型でもない、団扇(うちわ)みたいな形の薄型のラケットを使っています。

それがあなたも知っている『バーミンガム77』でした。

『バーミンガム77』は、現在でも販売を続けられているロングセラーのラケットです。

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これは、私の記憶違いではないと思います。大会に行くと、表ソフト前陣の選手は全員『バーミンガム77』です。私は丸型単板ラケットwww 

当時、私はバタフライ派だったのです。『卓球レポート』は定期購読していましたが、卓球レポートには河野満選手は登場しないのでした。(河野満選手はTSP派だったんですよね)

大会で目立つ前陣速攻の選手は、バックスイングをやや高い位置に引き、そこからラケット下降させ再び持ち上げるような角度打ちでペシペシ打っていました。

そんなこんなで数日後、私の手には『バーミンガム77』と『スペクトル』がWWW 

ミーハーです。ここでやっと、『バーミンガム77』が河野満選手が優勝した1977年の卓球世界選手権バーミンガム大会の使用ラケットだと認識しました。(遅すぎるやろ!)と同時に思ったこと「みんなミーハーやないかい!!」

バーミンガム77に別れを告げる

バーミンガム77というラケットは、それまで単板のラケットを使っていた私の印象では、板厚も薄くて、打球音も「パコーンパコーン」という感じの音で、文房具屋で売っていた初心者向けの1,000円位のラバー付きラケットに似た印象でした。(信者の方スイマセン)

追記)そうそう!文房具店で売っていたラバー付きラケットこそ、あの有名なバタフライの『ビリーバ』です!

バーミンガム77を使用している選手の球筋を見ていると、(表ソフトラバーということもあってか)打たれたボールが、どこか「ふわーん」と飛んでいくように見えました。「パコーン、ふわーん」です。

しかし、『世界チャンピオンのラケット』と言うネームバリューには負けます。私だけでなく、みんな負けました。

私は表ソフト前陣速攻型に戦型を変えてから、部内の「その他大勢」から、なんとか、団体戦のダブルスの片方までたどり着くことが出来ました。(ペアのもう1人は団体戦シングルス兼任です)

新しいラケットは『長城』

私はガリガリでスタミナも筋力もありませんでした。チームメイトからは『前陣鈍行型』と称されていました。

回転量の少ない表ソフトの『鈍行スマッシュ』はネットに引っ掛かりながらタイミングをずらして相手コートによく落ちました。(あるある)そして『ネッチマン』という名前も頂きましたw

体力も腕力もない私にとって、『バーミンガム77』は、軽いのは良いのですが、反発力が足りないように感じました。

そこで私は、この世界チャンピオンのラケットに別れを告げる決断をしました。「みんなと同じ物を使っていてはダメだ」と。

次に私が目を付けたのは、TSPの『長城』というラケットです。単板のような厚みがあり、球威負けしないラケットでした。

『長城』を大改造に踏み切る

『長城』というラケットは、中国式ほどではありませんが、俗に言う「丸型」のラケットでした。私はこの「日本式丸型ラケット」が、どうもルックス的に受け入れられなかったのです。『バーミンガム77』のシェイプがカッコよすぎて。

とは言え、『長城』の打感の強さは捨て難く、私はある事を実行したのです。そう、『長城』をバーミンガム77のような「おしゃもじシェイプ」に改造したのです。

最初にラケットの裏にエンピツで削るラインに線を引き、『長城』のエラ部分を金属用の粗めのヤスリでゴリゴリと削って、バーミンより分厚くて、バーミンより小ぶりな、「バーミンガムのいとこ」的なラケットが完成したのです。

これが台上のプレイもやり易く、部活引退まで使用しました。 大会で、選手とラケットを見せ合う時、相手選手が一瞬「???」(バーミン…じゃないな?なんだこれ?)となるのがおかしいのでした。

リアルタイムでは斉藤清vs糠塚重造の時代

そんな80年代、前陣速攻型の地方の高校生がみんな『バーミンガム77』を使っていた最中、リアルタイムで前陣速攻型を牽引していたのは、河野満氏ではなく、糠塚重造選手でした。(男子では)

斉藤清vs糠塚重造の試合は見応えがありました。斉藤選手がいつも優勢に感じられましたが…。

テレビで見た全日本選手権と地元のオープン大会で客席から見た糠塚重造選手。前陣速攻型のトッププレーヤーを見たのは糠塚選手が初めてでした。

この時点でも動く映像としての河野満選手にはまったくお目にかかる機会はありません。ビデオデッキはお金持ちの家にしかない時代です。

確か、糠塚重造選手は『前陣速攻型』ではなくて、『前陣攻守型』と呼ばれていた記憶があります。

河野満氏と同じ青森県の出身で、私は、糠塚選手のスタイルは河野満さんの延長上にある物だと思っていました。

糠塚選手は小さなスイングでペシペシ打っていました。そしてドライブも頻繁に使っておられました。

ガリガリの私とは体型は全然似ていないのですが、私は糠塚選手の前陣の型をロールモデルとしていました。河野満選手は映像にお目にかかれないので伝説の人です。

全然違う糠塚選手と河野選手

それから数十年の歳月が流れ流れて、世の中にはインターネットなるモノが普及し始めます。テレビよりYouTube を見る時間の方が長くなってしまった今日この頃です。

高校時代以来、ほぼラケットなど握った事がない私ですが、ふと、卓球の動画へと迷い込んでしまいました。

そこには、あの伝説の河野満選手の試合の動画があるではないですか‼︎(ほんの数本の動画しか上がっていません)

惹き込まれましたよ私。これが河野満選手のプレイか‼︎

まさに全身バネです。 河野選手はラケットの裏の指が随分と中央からズレていて真っ直ぐ伸びているのが特徴的です。私は、『前陣』は指を丸めるものだと勝手に思っていました。

フォアハンドはフォローで打面が下を向かないのが印象的です。これで良かったんだ!こんな映像、高校時代に見る事が出来たならどれだけ違っていただろうと思います。(え、大して変わらない?…ですね)

そして、なんといってもバックハンド。たぶんこのバックハンドのためにラケットの裏の3本の指は大きく中央からずらしているのでしょう。

惚れ惚れするバックハンド。そのかわり、正面近くのショートの時は体を斜めにして打っていて、やりにくそうに見えます。(このへん、突っ込んでくださいよ!ど素人(私)が勝手な事かいているのですから)

河野選手は体の正面に来たボールはわりとフォアハンドで対処しています。(その時の体の捩り方が実にかっこいい!) このへんはショートを多用する糠塚選手と異なるところです。

河野選手のバックハンド、エグいです。こう、左肩、左肘をぐっと高く上げて放つバックハンド。まるで噛むんとにゃんにゃんダンスのような…。…。んんっ。

糠塚選手は河野選手の延長上にいると思っていたのですが、全然違いました。河野選手は振り幅が大きく躍動感溢れています。

全身バネです。打つたびに右足が跳ね上がります。糠塚選手は前陣でペシペシと凌いでいく、まさに『前陣攻守型』です。

ただ、河野満選手の動画を見て思った事。 僭越ですが、私がタイムスリップして河野さんにいってあげたい事があります。それは…

「髪を切りなさい!」

毎回毎回、1ポイント毎に前髪を直すのを見ていると、気になって気になってしょうがない。 モーニング娘。の『ふるさと』で曲中にずっと鳴っているピョロピョロ〜と同じくらい気になってしょうがない!。

河野満選手が主役の漫画原案

河野満選手の動画を見ていて思った事は、「世界チャンピオン当時の河野満選手が現在の世界のトップグループと対戦したらどうなるだろう? という、もしもです。

中国選手にペンホルダーの裏面打法でバッククロスに返されたボールに、河野選手が、従来の左肘をぐっと上げたバックハンドスマッシュで打ち返し勝ち進んでいく。…事は可能だろうか?

先ほど、現在のトッププレーヤーの動画を流し見していたのですが、河野選手のように打つ度に右足が跳ね上がるような躍動感のある選手は見当たりませんでした。

河野さん、現在のトップと戦ってもいい線いくのではないでしょうか。

そこで、私はマンガの原案を考えた‼︎ それはまさに、『ヒカルの碁』の卓球版といってもいい作品です‼︎(パクリと呼ばないで)

現役バリバリの河野満選手がある日突然タイムスリップして2016年へ。元の時代に戻る前に、卓球の技術を鈍らせないために、覆面卓球選手として各国の卓球場に現れ、トップ選手をなぎ倒して行く。

覆面をした河野選手は、現代のテクニック、ペンホルダー裏面打法やチキータなどに苦戦しながらも、77年スタイルの両ハンド前陣速攻型で道場破りをしていく。

そして皆が、あの打ち方どこかで見た事がないか?と噂が立ち始める。覆面をしているくせにプレイ中に前髪を直す癖がある、あの選手はいったい誰なんだ‼︎

タイムスリップした河野満選手の運命は‼︎

どうですか?集英社の編集部の方。

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