ミドリガメは都会でも繁殖して命を繋いでいます

海にミドリガメ

この記事は、たまにアクセス数が上がる時があります。

どうしてかなと思い、ツイッターのトレンドを調べて見ると、TOKIOのテレビ番組「鉄腕ダッシュ」で、海になぜかミドリガメが泳いでいた映像を何回か放送したらしいのです。

やっぱりテレビの影響はまだ大きいですね。

なぜ、海にミドリガメが?

昔、アルバイトで京浜運河に浮かぶ台船の上で仕事をした時の事です。

その現場の仮設事務所には、小さな水槽にミドリガメが飼育されていました。

大きさは、まさにお祭りや縁日で売られているゼニガメと同じくらい。

水槽にはたしか「かめ吉」と書かれてあったような…。

カメ好きの私は、所長さんに、そのカメの話を振ってみました。

すると、驚いた事に、そのミドリガメの子供は、台船の浮かぶ京浜運河を泳いでいて(流れてきた?)、それを網ですくったのだそうです。

場所は、天王洲アイルから品川シーサイド辺りの京浜運河です。

塩分濃度が薄いとはいっても一応京浜運河は「」です。海水です。

なんで京浜運河にミドリガメが⁈ 

ミドリガメって海水でも生きられるのか⁈ 

たぶんこの近所の子供が飼いきれなくなって逃がしたところを運良く、ここの所長に発見されたのだろう。

それか、この近くに熱帯魚やカメなどの爬虫類の卸問屋でもあって逃げ出したのだろう、ぐらいに考えていました。

大都会にミドリガメの楽園があった

ある時、仕事で東京の中目黒にいった時の事、昼食はコンビニで買ってどこか公園のベンチで食べようと思い、目黒川沿いに眺めのいいベンチを見つけました。

釣りが趣味の私は川を見ると血が騒いでしまうのです。

パンをかじりながら川の様子を観察していると、結構な数のカメがいるじゃないですか! 

それもずいぶん大きいのもいる。

クサガメではないようだ。あれはミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)だ。黒化してかなりの貫禄がついたのが多い。

コンクリートの三面護岸というなんとも切なく悲しい川にできた、いくばくかの陸地でカメたちは甲羅干しをしていた。

その姿は、私にはすごく逞しく感じられた。

こんな都会の三面コンクリートの川で、いったい何を食べて生きているんだろう。

ボラの稚魚やボウフラ、雑食性のミドリガメだからなんでもたべているんだろうな。

繋がる物語、疑問の解決。

今年になって私はクサガメを飼い始めました。

カメの飼育方法、生態などずいぶん調べました。

youtubeのカメ動画もよく見るのですが、多摩川などではミドリガメの自然繁殖が問題化しているようだ。

飼いきれなくなって多摩川に放したカメ、特にミドリガメが問題で、罠を仕掛けて捕獲している。

こうやって、カメの情報を追っているうちに上に記したカメの思い出が頭の中に蘇ってきました。

そして、その二つの思い出が繋がりました。

京浜運河をぷかぷか流れていた、所長が網ですくった小さなミドリガメは、おそらく、目黒川の中目黒下の狭い陸地にいたカメたちが産卵した卵から孵ったカメで、大雨による目黒川の増水で京浜運河まで流されてしまったのだ。

地図で確認すると、案の定、目黒川の河口は東品川の天王洲の横だ。

あの1匹のミドリガメは所長に、命を救われたのかもしれない。

いやまてよ。自力で目黒川まで帰れたかもしれない。

あの仮設事務所の水槽にはバスキングライトもヒーターも設置してはいなかった。

正確な飼育法なんて知らなかったと思います。

あのままの飼い方だと、幼い日の自分のように所長はきっとカメを死なせてしまったでしょう。(その後どうなったかはしるよしもありません)

それにしても、ネットで調べると、海でミドリガメ発見という話がずいぶんでてきます。

なかには、わたしの話と同じ「京浜運河でミドリガメを拾った」話までありました。

恐るべしミドリガメの適応力。

ミドリガメが飼育が販売禁止に?飼育は届け出制に?

ペットとして人気の外来種(ミシシッピアカミミガメ)について、環境省は29日、2020年をめどに輸入を禁止すると発表した。  捨てられたカメが大量繁殖し、農作物や生態系に被害を及ぼしているためで、販売と飼育も段階的に規制する。すでに野生化したものは駆除する方針。
ミドリガメ駆除、輸入禁止へ…販売・飼育も規制 
2015年07月30日 読売オンライン

環境省が動きました。

これは、致し方ない面はあります。

しかし目黒川なんかを見ていると、三面コンクリートの都会人工河川と化した川は、生態系がどうのこうのと言えない状態になっています。

人間がそうしたのです。しかし、まだ「日本の自然」と呼べる環境の中に入っていったミドリガメは間引かざるおえないのでしょう。

疑問なのは、ミドリガメは相当昔から輸入されていますが、昔は大量繁殖が問題にはならなかった。

自分が子供の頃も縁日で売られていましたが、大繁殖して困ったなんていう話は聞きませんでした。

(私はミシシッピーアカミミガメはアメリカ原産で冬眠しないので日本では増えないと思い込んでいました)地球温暖化が影響をおよぼしているのでしょうか。

そして、今、私が飼っているクサガメも、日本原産種ではないという話です。いつかクサガメも届け出制になってしまうのでしょうか。(クサガメはミドリガメほど繁殖力が強くないようですね。)

追記
2015年9月9日に襲った台風18号による大雨で、目黒川は警戒水位を超えました。コンクリート3面護岸の目黒川はカメ達の避難場所がありません。
ツイッターの目黒川の画像、ヤバイです。今回の大雨で、また、ミドリガメ達は京浜運河まで流されたと推測されます。極東の国で数奇な運命をたどるミドリガメ…。なんんも言えねぇ。

関連記事
クサガメの子供を購入するために熱帯魚店を探して歩いた結果

追記)
テレビ番組のTOKIOの『鉄腕DASH』で、時々、海に住むミドリガメが出てくるらしく、その度に、このページへのアクセスが少し増えるという現象が起きていたのですが、2018年の「山口メンバー」の 一件で、そのようなアクセスがこれから増えることがなくなってしまうのが、ちょっと残念です。

TOKIOのみなさん、頑張ってください。海のミドリガメも、きっと応援しているはずです。

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