台湾映画『KANO』を観てきた時の感想です。
家を出るところからを記録することで、この映画が上映されていた時期の空気感までも残しておこうと思いました。
余計な話と感じたら、飛ばして読んでいただけたら幸いです。
目次
自分のイデオロギーを消し去って、野球映画として観る 台湾映画『KANO』
今週は金曜日が仕事休みだったので台湾の野球映画、『KANO』を観てきました。
私は映画もドラマもあまり観ないほうなのですが、インターネットで偶然この映画『KANO』の存在を知り、まんまと乗ってしまったという事です。
戦前の日本統治下の台湾で、1勝もした事のなかった学校(嘉義農林学校)の野球チームが異なる民族の混成チームで勝ち進み、甲子園大会の決勝戦まで駒を進める。
保守系のネット番組でこの台湾映画を取り上げていたので、大まかなストーリーは分かっていましたが、(というより、ストーリーを初めから分かった上で見る映画にも感じられました)一旦頭の中をすべてを白紙にし、政治的イデオロギーを消し去って観てみようと思いました。
ところが、家を出てiPhoneにヘッドホンを差し込み、Radiko.jp(ラジコ)でラジオ放送を聴きながら、駅までの道のりを歩こうと思い、「ラジオ日本」を選局したところ、いきなり「KANO」の話題で盛り上がっているではないですか。(マット安川さんの番組です)
ここで直ぐさま方針転換w
『KANO』についての話を最後まで聴いてしまいました。
とはいえ、政治的な観方をすると観る人それぞれのイデオロギーや立ち位置から、評価が変わると思うので、私は別の方向、ひとつの野球映画として感想を語ってみようかと。
台湾の俳優さん、日本語頑張ってるけど聞き取れないところが…
『KANO』に出演している台湾人の若い役者さんはとてもいい。
日本語も頑張っています。
声をあとから当てているシーンは口の動きが合ってないのが分かったので、苦労したんだなぁと思いました。
そして時々何言ってるか分からない事があった。のですが、前後の脈絡で分かりますので分からなくても問題ありませんでした。
実際は、どうだったのでしょう。当時、既に日本統治が始まって、34、5年経っていた訳で、台湾の方々の日本語の浸透具合は。
台湾に旅行すると、親切なお年寄りが、流暢な日本語で、声をかけてくるという話をよく聞きます。
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大江君がでる度に涙が
そのセリフが聞き取れない大江君(台湾人の役者さんだと思います)ら2人は最上級生なので嘉農が甲子園出場を決めた年の大会には出場出来ませんでした。
その後、この大江君がいろんな場面で出てくるのですが、なぜか大江君が出てくると、反射的に私の目に涙が…。
え?そこじゃないだろ?て言葉が聞こえてきそうですね。まぁポイントは人それぞれってことで。
この私の涙腺が緩んだのには、 布線がちゃんとあるのです。
嘉中との練習試合(大江くんが「この試合、どんなことがあっても、絶対に勝とうぜ!」叫ぶのですが、反撃のはずの最終回に大雨が降り出し中止になってしましい負けに終わる)が前振りになって、大江くんの悔しさ、嬉しさが、彼が登場するたびに、じわっと戻ってくるのです。
体よすぎるぞ、監督と八田與一
思った事。映画だから登場人物はかっこいい方がいいに決まってます。
でもです。私は思ったのです。
永瀬正敏さん、大沢たかおさん、ジムに通い過ぎじゃないですか⁉︎
永瀬正敏さんは貫禄をだすために、お腹の部分に何か入れてる?
永瀬さん1966年生まれだそうだからアラウンド50か、なんか信じられない時の流れの速さ。ならばあれが普通か。
特に大沢たかおさん、八田與一さんはダムの建築作業を手伝い過ぎてナイスボディーになったという設定か?
しかしそれはそれでかっこいい。
八田與一氏は実在した人物で、台湾にダムを創り上げ、台湾の農業の発展に力を注いだ人物です。
ご当地の台湾では、銅像もあり、尊敬されている人物です。
呉君は野茂ファンか?
ピッチャー役の呉君を演じている方は役者さんではなく、本物の台湾21歳以下代表の野球選手だそうですが、投球フォームが何処と無く、「野茂トルネード投法」を思わせます。
もしや野茂ファン?
でも野茂さんの活躍は17、8年前だから私の思い過ごしだろうか?
1931年の甲子園球場と王貞治物語
物語の後半には当時の甲子園が舞台になります。
そこで私は思った。
甲子園の土が粗くないか?
私には映画の中の甲子園の土が、砂というか、大袈裟にいうと細か目の砂利に見えてしまいました。
呉君が、出血した指の滑りを止めるために、マウンドの土に指をズッと差し埋める時の土が小砂利っぽくて本当に痛々しい。
このためだったのか!違うか。
そして物語の見せ場は、呉君の指の怪我を圧しての血染めの投球‼︎
これは野球ファンならご存知と思いますが、台湾でも英雄の、世界のホームラン王、王貞治さんの実話です。
早稲田実業高校の投手時代の、甲子園大会で指のマメから出血しながらの熱投をした実話が元になっています。
小学館から出版されていた「王貞治物語」は小学生だった私のバイブルでした。
歳がばれる‼︎(映画の冒頭でフィクションを加えているとテロップが出ていましたが、このあたりもそうなのでしょう。
クレジットのスペシャルサンクスのところに、王貞治さんと元中日ドラゴンズの郭源治さんの名前がありましたので、たぶん、郭源治さんの野球のエピソードも物語の中に取り入れられているのでしょう。)
特撮好きの悪い癖
映画に付き物の特撮シーンですが、近頃はVFXとCGが主流になりつつあります。
私はついついストーリーから離れて画面の細部を見てしまうのです。
シーンの甲子園の観客、CG合成を。
ピントをボカした観客のウチワの扇ぎ方はおかしくないかとか、人の不自然な動きはないかとか…。
またまた誰かが言う。
「見るべきところはそこじゃないだろ‼︎」
ラストシーンの客船の甲板での野球のシーン。
客船が台湾に向かって帰って行くシーンの船と背景のCGの合成は、CGスタッフの見せ所でもあり、CGの出来如何で、このラストを昇華させるか、平凡ににしてしまうかの大事な役回りだったように思います。
VFXとCGは大役を果たせたのでしょうか。あなたはどう感じましか?
感想を書いた後でメディア情報を見直すと
このページを書いた後で、ネット記事やYouTubeで「KANO」のメディア情報やインタビューをざっと見てみると、甲子園の土の話など、細かな事情が分かりました。(甲子園の土の感じが出せず、タイヤを細かく砕いて混ぜたのだそうです。
敢えて情報を頭に入れずに感想を書いてみると、自分がいかに作者の意図を汲み取っていないかわかりますw
今年は映画も野球も観る機会を増やそうかな。
またまた「そこじゃないだろ‼︎」
あっ、はい。
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